褥瘡(床ずれ)管理について
「ななみ在宅診療所」では、褥瘡(じょくそう・床ずれ)の予防と治療に力を入れています。
当院の医師は「在宅褥瘡管理者」(日本褥瘡学会認定)として、褥瘡ケアの専門知識と経験をもとに、患者さんの状態に合わせた個別対応を行います。
寝たきりの方や、体を動かすのが難しい方にとって、褥瘡は日々のケアの中で起こりやすい問題です。適切な管理を行えば、多くは悪化を防ぎ、在宅で治癒することも可能です。
褥瘡とは?
褥瘡(じょくそう)とは、長時間同じ姿勢で寝ていることで、皮膚やその下の組織が圧迫されて血流が悪くなり、皮膚がただれたり、傷になったりする状態をいいます。
一般的には「床ずれ」とも呼ばれます。
褥瘡は、以下のような方に起こりやすいです。
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寝たきりの状態が長く続いている方
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痩せて皮下脂肪が少ない方
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栄養状態が悪い方(低栄養)
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発熱・感染・むくみなど、身体の代謝が落ちている方
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意識が低下して体を動かしづらい方
褥瘡の進行と見た目の変化
褥瘡は進行具合に応じて、以下のように分類されます。
| 段階 | 症状の特徴 |
|---|---|
| Stage I | 皮膚が赤くなるが、破れていない |
| Stage II | 表皮が破れて浅い傷になっている |
| Stage III | 皮膚の奥までダメージが及び、脂肪層が見える |
| Stage IV | 筋肉や骨まで損傷が広がっている |
見た目だけでは判断できない深い損傷もあるため、専門的な評価が必要です。
当院の褥瘡管理の特徴
1. 在宅褥瘡管理者が対応します
当院の医師は日本褥瘡学会が認定した「在宅褥瘡管理者」として、**治療だけでなく、予防や再発防止にも力を入れています。**褥瘡の進行度に応じて、軟膏やドレッシング材(傷の被覆材)、洗浄、壊死組織の除去(デブリードマン)などを適切に組み合わせます。
2. 原因からアプローチします
褥瘡の原因には、圧迫・摩擦・湿気・栄養不良など多くの要素が絡んでいます。当院では、体位の見直しや寝具の工夫、栄養状態の確認まで含めて、原因から対処していきます。
3. 多職種連携によるチームケア
訪問看護師・管理栄養士・訪問薬剤師と連携し、総合的な褥瘡対策を実践しています。ご家族への指導や相談も大切にしています。
褥瘡管理で行うケア内容
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傷の洗浄と消毒
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軟膏や外用薬の選択と処方
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被覆材の使い分け(ハイドロコロイド、銀入りドレッシングなど)
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壊死組織(かたいかさぶたなど)の除去
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ポジショニング(体位の工夫)の指導
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褥瘡用マットレスやエアマットの提案
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栄養状態の評価とサプリメントの提案
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家族へのスキンケア指導
よくある質問:褥瘡について
Q1. 床ずれは治りますか?
A1. 適切な処置と環境調整ができれば、多くの褥瘡は在宅でも改善します。特に早期に対応することで、悪化を防ぐことができます。
Q2. 皮膚が黒くなっているのですが、これも褥瘡ですか?
A2. 可能性があります。**壊死した皮膚(黒色)**がある場合は、早めの対応が必要です。無理に剥がすと出血や感染のリスクがあるため、必ず専門的な評価を受けてください。
Q3. 褥瘡予防のためにどんなことができますか?
A3. 体位変換(2~3時間ごと)、スキンケア、栄養管理、適切な寝具の使用が基本です。当院では予防のアドバイスも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
院長より
褥瘡は、患者さんの痛みや不快感をもたらすだけでなく、ご家族の不安や介護の負担を大きくする原因にもなります。
だからこそ私たちは「治す」ことだけでなく、「つくらない」「悪くさせない」ことを大切にしています。
一人ひとりの生活環境や体の状態に合わせた、オーダーメイドの褥瘡ケアを、在宅でも実践できるよう心がけています。
褥瘡があることで、外出や生活の質をあきらめることのないよう、私たちがしっかりサポートしてまいります。
